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ボクの武勇伝
長いインテリア稼業のあいだには、こんなこともありました。
例えば、飲食店なら食中毒、医者なら医療ミス、タクシードライバーなら交通事故、
建築・インテリの業界では、火事です。これだけは、なにがなんでも避けたい災難です。
でも、遭遇してしまったときは・・
春先の、まだ薄暗い明け方、いきなりの電話に起こされました。
「B工場が火事だ。」
まさか?!と思いながら、
僕は足の先から緊張するという感覚を、生まれてはじめて経験しました。
コレが、足が震える・腰がぬける・・ってやつかぁ。
その工場は、うちが内装管理をしている現場でした。
慌てて駆けつけると、幸いなことに、火事はボヤ程度で、
原因は、応援で入った職人の水を温める道具の電源の切り忘れで、
そのオーバーヒートによる引火、ということでした。
やれやれ、と思うまもなく、目を回すヒマもないほどの事後処理が押し寄せ、
緊急に高校に通う息子と、彼の友達にアルバイトを頼み、
てんやわんや、わちゃわちゃなお祭り騒ぎの中、その日の夜遅く、日付がかわる頃、
僕の長い一日が、終わりました。
高校生たちは破格のバイト料に、どうやら焼死体の後片付けらしいぞ・・と
勝手に盛り上がり、異様な緊張と好奇心で、やってきたのに、
肉体作業ばかりで、がっかりだと文句をいわれました。(コラ、不謹慎な青少年たちよ)
さて、電話をうけ、慌てて出て行くとき、自分では落ち着いていたつもりですが、
後で聞いたらズボンをパジャマの上から、はこうとしていたらしいから、
やっぱり、気が動転していた?!
そのくせ、なぜか、「うぉーしっ、わくわくするぞぉ」と、口走っていたそうで、
さらに、うちの店が、どれほどのモンか、知れ渡らせてやるっ、
こんなチャンス、めったにないっ!と、飛び出して行ったらしく?!
僕は、ほとんど、覚えてないのですが、奥さんは、ずーっと聞いていて、
こんなときに、これほどの強気な発言ができるのは、バカみたいに肝が据わってるか、
ただのバカ・・・、と思ったそうです。
いずれにしても、この発言こそが、ボクの武勇伝! 零細企業の社長の鑑!
と、いうのですが。
・・・誉めてるつもりでしょうか?!